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足関節捻挫

はじめに

足関節捻挫は、足首の関節を支える靭帯(じんたい)という組織が、無理な力が加わることで損傷してしまう怪我です。スポーツ中だけでなく、日常生活のちょっとした動作でも起こりうる、非常に一般的な怪我の一つです。
軽い捻挫であれば数日で良くなることもありますが、重症の場合には痛みが長引いたり、後遺症が残ったりすることもあります。そのため、適切な対処と治療が非常に重要になります。このページでは、足関節捻挫の概要から、具体的な症状、原因、種類、そして治療方法について、わかりやすく解説していきます。

足関節捻挫の症状について

足関節捻挫の主な症状は、受傷直後の激しい痛みです。
損傷した靭帯の周りには炎症が起こり腫れや熱感がみられることが多いです。重要になると足首がぐらぐらするような不安定感を感じることがあります。

重症度による症状の違い

  • 軽度(Ⅰ度): 靭帯がわずかに伸びたり、小さな損傷にとどまっている状態です。痛みは比較的軽く、腫れも軽度です。歩行もなんとか可能なことが多いです。
  • 中等度(Ⅱ度): 靭帯の一部が断裂している状態です。痛みや腫れは中程度で、体重をかけるのが困難なことが多いです。内出血が見られることもあります。
  • 重度(Ⅲ度): 靭帯が完全に断裂している状態です。激しい痛みと広範囲の腫れがあり、体重をかけることはほとんどできません。内出血が強く現れ、足首の不安定感が顕著にみられることがあります。もし、足をひねってしまい、強い痛みや腫れがある場合は、無理に動かさずに安静にし、医療機関を受診してください。

足関節捻挫の原因について

足関節捻挫は、足首が通常動く範囲を超えて、不自然な方向に強くひねられることで起こります。スポーツ中だけでなく、日常生活の様々な場面で起こりえます。特に、足首の外側の靭帯(前距腓靭帯、踵腓靭帯、後距腓靭帯)が損傷することが最も多いです。これは、内側に比べて外側の靭帯が弱く、足首が内側にひねられることが多いためです。

足関節捻挫の種類について

足関節捻挫は、損傷する靭帯の種類や、足首がどの方向にひねられたかによって分類することができます。

  • 内反捻挫(ないはんねんざ): 足の裏が内側に向くようにひねられることで起こります。外側靭帯損傷の主な原因となります。
  • 外反捻挫(がいはんねんざ): 足の裏が外側に向くようにひねられることで起こります。内側靭帯損傷の主な原因となります。

どの種類の捻挫であるかを正確に診断することは、適切な治療を行う上で重要です。医師の診察や、必要に応じてレントゲン検査などの画像検査が行われます。

足関節捻挫の治療方法について

足関節捻挫の治療は痛みを和らげ、損傷した靭帯の修復を促し、足首の機能を回復させることを目的として行われます。治療法は捻挫の重症度によって異なりますが、保存療法を基本とします。初期の適切な処置が非常に重要です。

応急処置(RICE処置)

受傷直後に行うべき基本的な応急処置です。

  • Rest(安静): 患部を動かさないようにします。無理に歩いたり、体重をかけたりしないようにしましょう。
  • Ice(冷却): 氷嚢や保冷剤などで患部を冷やします。血管を収縮させ、炎症や腫れ、痛みを抑える効果があります。1回15~20分程度、1日に数回行います。
  • Compression(圧迫): 弾性包帯などで患部を適度に圧迫します。腫れを抑える効果があります。きつく締めすぎると血行が悪くなるため注意が必要です。
  • Elevation(挙上): 患部を心臓より高い位置に保ちます。重力によって腫れが引くのを助けます。

保存療法は手術以外の方法で症状の改善を目指す治療法です。

固定

サポーターやテーピングなどで足首を固定し、安静を保ちます。ギプス固定や松葉杖による免荷が必要になることもあります。

薬物療法

痛みや炎症を抑えるために、内服薬や湿布などが処方されることがあります。

運動療法

痛みが和らいできたら、足首の機能を回復させるためのリハビリテーションを行っていきます。関節可動域を広げるストレッチや筋力トレーニングなどを行います。捻挫は再発しやすい怪我のため、リハビリテーションは再発予防まで考慮して行われます。

おわりに

この解説が、足関節捻挫に悩むお子さんとその保護者の方々にとって、少しでもお役に立てれば幸いです。ご心配なことがあれば、遠慮なく医療機関にご相談ください。

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