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腰の痛み

「ああ、腰が痛い…」誰もが一度は経験する、国民病とも言える腰痛。朝起きた時、長時間座った後、重い物を持ち上げた時など、様々な瞬間に襲ってくることがあります。軽い痛みで済むこともあれば、足のしびれを伴って歩くのも辛くなるほどひどい場合もあります。日常生活の質を大きく左右する腰の痛みについて、「もしかして、私の腰痛も何か原因があるのかな?」と感じている方は、ぜひこの先を読み進めてみてください。

このページでは、そんな腰の痛みについて、その様々な症状、病院での診断方法、考えられる原因、そしてどのような病気が潜んでいる可能性があるのか、さらに具体的な治療法まで、詳しく解説していきます。

腰の痛みの症状について

腰の痛みといっても、その感じ方や現れる場所は様々です。

  • 鈍痛:重く、ズーンとした痛みが続くことがあります。
  • 鋭い痛み:ピキッとしたり、ズキッとしたりする強い痛みを感じることがあります。
  • 差し込むような痛み:体を動かした時などに、瞬間的に鋭い痛みが走ることがあります。
  • 腰から足にかけての痛みやしびれ:腰の神経が圧迫されると、お尻や太もも、すね、足先にかけて痛みやしびれを感じることがあります。
  • 体幹の可動域制限:腰を曲げたり、伸ばしたり、回したりする動きがスムーズにできなくなることがあります。
  • 安静にしても痛む:じっとしていても痛みが和らがない、あるいは悪化することもあります。
  • 排尿・排便の異常:まれに、腰の痛みに加えて、排尿や排便に異常が現れることがあります。このような症状がある場合は、すぐに医療機関を受診してください。

これらの症状は、痛む場所やタイミング、他の症状の有無などによって、原因となっている病気や状態が異なる可能性があります。

腰の痛みの診断方法について

医療機関では、腰の痛みの原因を特定するために、いくつかの方法を組み合わせて診断を行います。

  • 問診:いつから、どこが、どのように痛むのか、どのような時に痛みが強くなるのか、過去の病歴や生活習慣、仕事内容などを詳しく聞かれます。できるだけ具体的に伝えることが大切です。
  • レントゲン検査:骨の変形、骨折、腫瘍の可能性などを確認するために行われます。
  • MRI(磁気共鳴画像)検査:レントゲンでは写りにくい、椎間板、神経、靭帯などの軟部組織の状態を詳しく調べることができます。

これらの検査の結果と、問診や触診での情報を総合的に判断して、腰の痛みの原因が特定されます。

腰の痛みの原因について

腰の痛みの原因は非常に多岐にわたります。

  • 筋肉や靭帯の損傷(ぎっくり腰など):急な動作や重い物を持ち上げた際などに、腰の筋肉や靭帯を痛めてしまうことがあります。
  • 姿勢の悪さ:長時間同じ姿勢での作業(デスクワーク、運転など)や、猫背などの悪い姿勢は、腰に大きな負担をかけます。
  • 運動不足:腰周りの筋肉が弱くなると、ちょっとした負荷でも痛めやすくなります。
  • 加齢による変化:年齢とともに、椎間板の水分が減ったり、変形したり、腰椎が変形したりすることがあります。
  • 肥満:過剰な体重は腰に大きな負担をかけます。
  • ストレス:精神的なストレスは、筋肉の緊張を引き起こし、腰痛の原因となることがあります。
  • 喫煙:喫煙は血行を悪くし、椎間板の変性を促進する可能性があります。
  • 特定の動作の繰り返し:中腰での作業や、体をひねる動作などを繰り返すことで、腰に負担がかかることがあります。

これらの原因が単独で起こることもあれば、いくつか重なって痛みを引き起こすこともあります。

腰の痛みの病気の種類について

腰の痛みを引き起こす可能性のある病気は様々です。

  • 腰椎椎間板ヘルニア:腰の骨と骨の間にある椎間板というクッション材が変形し、神経を圧迫することで、腰の痛みだけでなく、お尻や足にかけての痛みやしびれを引き起こします。
  • 腰部脊柱管狭窄症:脊柱の中を通る神経の通り道(脊柱管)が狭くなることで、神経が圧迫され、歩行時などに足の痛みやしびれが現れます。休むと症状が軽減するのが特徴です。
  • 変形性腰椎症:加齢などにより、腰の骨や関節が変形し、神経を圧迫することで、腰の痛みや可動域制限を引き起こします。
  • 腰椎分離症・すべり症:腰の骨の一部が分離したり、ずれたりすることで、腰痛や足の痛みを引き起こすことがあります。成長期のスポーツ選手に多いですが、大人になってから症状が現れることもあります。
  • 骨粗鬆症:骨がもろくなる病気で、尻もちなどの軽い衝撃でも腰椎圧迫骨折を起こし、激しい痛みを伴うことがあります。
  • 感染症:まれに、細菌などが脊椎に感染し、腰痛や発熱を引き起こすことがあります。
  • 腫瘍:脊椎やその周辺に腫瘍ができると、腰痛の原因となることがあります。
  • 内臓の病気:腎臓結石や婦人科系の病気など、腰以外の病気が原因で腰痛を感じることがあります(関連痛と呼ばれます)。

これらの病気以外にも、様々な原因で腰痛が生じることがあります。自己判断せずに、症状が続く場合は医療機関を受診することが大切です。

腰の痛みの治療法

腰の痛みの治療法は、その原因や症状の程度によって異なります。

  • 安静:痛みが強い場合は、無理に動かさずに安静にすることが大切です。ただし、長期間の安静は筋力低下を招くため、なるべく早期からリハビリテーションを開始します。
  • リハビリテーション:マッサージ、ストレッチ、筋力トレーニングなどを行い、腰周りの筋肉の緊張をほぐし、可動域制限を改善し、再発予防を目指します。
  • 薬物療法:痛み止め(内服薬や坐薬、湿布など)、筋肉を緩める薬、神経の痛みを和らげる薬などが用いられます。
  • 装具療法:コルセットなどの装具で腰を固定し、安静を保ち、負担を軽減します。ただし、長期間の使用は筋力低下を招くため、医師の指示に従って使用します。
  • 手術療法:薬物療法や理学療法などで改善が見られない場合や、神経の圧迫が強い場合、日常生活に支障が大きい場合などに行われます。ヘルニア摘出術や脊柱管拡大術などがあります。

大切なのは、自己判断で放置せずに、専門医の診断を受け、適切な治療を受けることです。また、日頃から正しい姿勢を心がけたり、適度な運動を取り入れたり、体重管理をしたりすることで、腰の痛みを予防することも重要です。この情報が、皆様の腰の痛みの理解と改善の一助となれば幸いです。もし、気になる症状がある場合は、早めに医療機関を受診してください。

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