変形性股関節症
変形性股関節症は、股関節の軟骨がすり減ったり、変形したりすることで、痛みや機能障害を引き起こす病気です。進行すると日常生活に大きな支障をきたすこともあります。
このページでは、変形性股関節症の概要から、具体的な症状、原因、種類、そして治療方法について、わかりやすく解説していきます。
変形性股関節症の症状について
変形性股関節症の主な症状は、股関節の痛みです。初期には立ち上がりや歩き始めの痛みを感じたり、長時間歩いたり、運動後に股関節に重だるさを感じたりします。進行すると股関節の痛みが強くなり、歩くのが難しくなることがあります。また股関節の可動域が制限され、靴下を履く、爪を切るなどの動作がしにくくなることがあります。
症状は、徐々に進行していくことが多いですが、急に症状が増悪する場合もあります。もし、気になる症状があれば、早めに医療機関を受診することをおすすめします。
変形性股関節症の原因について
変形性股関節症の原因は、一つだけではなく、さまざまな要因が複雑に絡み合って発症すると考えられています。大きく分けて、「一次性変形性股関節症」と「二次性変形性股関節症」があります。
一次性変形性股関節症
明らかな原因が見当たらないものです。加齢による軟骨の自然な摩耗や、遺伝的な要因、長年の股関節への負担などが関与していると考えられています。
二次性変形性股関節症
先天性股関節脱臼や臼蓋形成不全など何らかの病気や怪我などが原因で発症するものです。
その他にも関節の変形の度合いから初期から末期まで分類することができます。
変形性股関節症の治療方法について
治療法は、症状の程度や進行度合い、患者さんの年齢や活動レベルなどを考慮して、個別に選択されます。大きく分けて、「保存療法」と「手術療法」があります。
保存療法は手術以外の方法で症状の改善を目指す治療法です。
運動療法
リハビリテーションで股関節周りの筋肉を鍛えたり、関節の柔軟性を高めたりする運動を行います。 理学療法士などの専門家の指導のもと、無理のない範囲で継続することが重要です。
装具療法
杖を使用することで、股関節にかかる負担を軽減することができます。
薬物療法
痛み止め(内服薬や湿布など)や、関節の炎症を抑える薬を使用します。
生活指導
肥満は股関節への負担を増やすため体重管理や、股関節に負担のかからない動作の指導などを行います。
手術療法は保存療法で十分な効果が得られない場合や、痛みが強く日常生活に支障がある場合に行われます。人工股関節置換術などが選択されます。近年、手術技術や人工関節の素材が向上し、良好な治療成績が得られています。
どの治療法が最適かは、患者さんの状態によって異なります。医師とよく相談し、納得のいく治療法を選択することが大切です。
この解説が、変形性股関節症に悩む方々にとって、少しでもお役に立てれば幸いです。ご心配なことがあれば、遠慮なく医療機関にご相談ください。